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GIMP 3.2リリース|リンクレイヤー・ベクターレイヤーで非破壊編集が大幅進化
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GIMP 3.2リリース|リンクレイヤー・ベクターレイヤーで非破壊編集が大幅進化

2026-03-23
2026-03-23 更新

GIMP 3.2が2026年3月14日にリリース。リンクレイヤー・ベクターレイヤーの追加で非破壊編集が大幅に進化。Photoshop PSD互換性の向上やMyPaintブラシの改良など、主要な新機能を解説します。

2026年3月14日、オープンソースの画像編集ソフトGIMP 3.2がリリースされました。2024年11月のGIMP 3.0から約1年4ヶ月ぶりのメジャーアップデートです。

今回の目玉はリンクレイヤーベクターレイヤーの追加。これまでGIMPの弱点とされてきた非破壊編集が大幅に強化され、Photoshopとの機能差がまた一段縮まりました。無料で使える画像編集ソフトとしてGIMPを検討している方に向けて、主要な新機能と実用上のポイントを解説します。

リンクレイヤー:GIMPに非破壊編集が来た

リンクレイヤー

GIMP 3.2最大の新機能がリンクレイヤー(Link Layers)です。

リンクレイヤーとは、外部の画像ファイルをレイヤーとしてキャンバスに配置する機能です。元の画像ファイルを編集すると、GIMP上のレイヤーにも自動的に変更が反映されます。

リンクレイヤーでできること

  • 外部ファイルの参照配置 — JPEG、PNG、TIFFなどの外部画像をリンクとして配置
  • 自動更新 — 元ファイルを更新するとGIMP上のレイヤーも自動で反映
  • ファイルサイズの軽量化 — 画像データを埋め込まないため、XCFファイルのサイズが大幅に削減
  • チーム作業での活用 — 共有フォルダ上の素材をリンクすれば、素材の更新が全員のファイルに反映
佐藤(AIツール・ワークフロー担当)
佐藤(AIツール・ワークフロー担当)

PhotoshopやInDesignでは「スマートオブジェクト」「配置画像」として当たり前の機能ですが、GIMPにはこれまでありませんでした。テクスチャやロゴなど、複数のファイルで使い回す素材の管理が格段に楽になります。

ポイント

リンクレイヤーは「埋め込み」に変換することも可能です。作業中はリンクで軽量に保ち、最終出力時に埋め込むという使い方ができます。

ベクターレイヤー:SVGをラスターに変換せず直接編集

ベクターレイヤー

もう一つの大きな新機能がベクターレイヤー(Vector Layers)です。

GIMPはラスター(ビットマップ)ベースの画像編集ソフトですが、GIMP 3.2ではSVGファイルをベクターのまま扱えるレイヤーが追加されました。

ベクターレイヤーの特徴

  • SVGの直接読み込み — SVGファイルをラスタライズせずにレイヤーとして配置
  • 拡大縮小しても劣化しない — ベクターデータなので解像度に依存しない
  • SVGエクスポート — ベクターレイヤーをSVG形式で書き出し可能
  • パスツールとの連携 — GIMPのパスツールで編集した内容をベクターレイヤーに反映
読者
読者

Illustratorのようなベクター編集ソフトの代わりになりますか?

佐藤
佐藤

本格的なベクター編集にはInkscapeの方が向いています。ただ、ロゴやアイコンをラスター画像と組み合わせる作業では、いちいちラスタライズしなくて済むので非常に便利です。写真の上にSVGのウォーターマークを配置する、といった使い方が典型です。

Photoshop PSD互換性の向上

PSD互換性

GIMP 3.2ではPhotoshop PSDファイルの読み書き互換性が大幅に改善されています。

改善された項目

項目 GIMP 3.0 GIMP 3.2
レイヤーグループ 基本対応 ネスト構造の完全対応
スマートオブジェクト 非対応 リンクレイヤーとして読み込み
テキストレイヤー 一部崩れ フォント・サイズの精度向上
ブレンドモード 主要モードのみ 追加モード対応
CMYK 非対応 読み込み時にRGB変換(改善)

特にスマートオブジェクトをリンクレイヤーとして読み込める点は実用上の大きな進歩です。Photoshopユーザーから受け取ったPSDファイルを、GIMPでより正確に開けるようになりました。

注意

CMYK対応はあくまで読み込み時のRGB変換の改善であり、GIMPはまだCMYKネイティブには対応していません。印刷用途のCMYK作業にはPhotoshopやAffinity Photoが必要です。

MyPaintブラシエンジンの刷新

MyPaintブラシ

GIMPに統合されているMyPaintブラシエンジンが3.0ベースにアップグレードされました。

主な改善点

  • ブラシ描画の高速化 — 特に大きなブラシサイズでのパフォーマンスが向上
  • 新しいブラシパラメータ — 筆圧感度のカスタマイズが細かくなり、ペンタブレットでの描き心地が改善
  • ブラシプリセットの追加 — 水彩、油彩、パステル系のプリセットが充実
  • ストロークの安定化 — 手ブレ補正のアルゴリズムが改善
佐藤
佐藤

写真のレタッチでは、クローンスタンプやヒーリングブラシの描き味に直結する部分です。ペンタブレットを使っている方はブラシの追従性の改善を体感できるはずです。

テキストエディタの改良

テキストエディタ

GIMP 3.2ではテキスト編集機能にも手が入っています。

  • オンキャンバス編集の改善 — キャンバス上で直接テキストを編集する際のレスポンスが向上
  • フォントプレビュー — フォント選択時にプレビューが表示されるように
  • カーニング・行間の調整 — より細かい文字間隔の調整が可能に
  • 縦書きテキスト — CJK(中国語・日本語・韓国語)の縦書きサポートが改善
ポイント

日本語テキストの扱いはGIMPの弱点の一つでしたが、縦書きサポートの改善やフォントレンダリングの向上で、以前よりも実用的になっています。

GIMPはPhotoshopの代替になるか:2026年時点の比較

メリット
  • 完全無料・オープンソースで商用利用も可能
  • リンクレイヤー・ベクターレイヤーの追加で非破壊編集が進化
  • PSD互換性の向上でPhotoshopとの連携が改善
  • Linux・macOS・Windowsのクロスプラットフォーム対応
  • プラグインやScript-Fuによる拡張性
デメリット
  • CMYK非対応(印刷用途には不向き)
  • 調整レイヤーが未実装(非破壊の色調補正ができない)
  • Camera RAW現像は非対応(別途darktableやRawTherapeeが必要)
  • UIの独自性が高く、Photoshopユーザーには慣れが必要
  • AI機能(生成塗りつぶし等)は非搭載
佐藤
佐藤

正直なところ、プロのレタッチ作業でPhotoshopの完全代替は難しいです。ただ、趣味の写真編集やWeb用の画像加工であれば、GIMP 3.2は十分な機能を備えています。特に「月額料金を払いたくない」という方にとっては最有力の選択肢です。

まとめ

  • GIMP 3.2が2026年3月14日にリリース。約1年4ヶ月ぶりのメジャーアップデート
  • リンクレイヤーの追加で外部ファイルの参照配置が可能に。非破壊ワークフローが実現
  • ベクターレイヤーでSVGをラスタライズせずに直接扱える
  • PSD互換性が大幅向上。スマートオブジェクトのリンクレイヤー読み込みに対応
  • MyPaintブラシエンジンが3.0ベースに刷新。ペンタブレットの描き心地が改善
  • 無料の画像編集ソフトとして進化を続けているが、CMYK・調整レイヤー・AI機能は未実装
Q
GIMP 3.2は無料ですか?
A

完全無料です。GIMPはGNU General Public Licenseで配布されるオープンソースソフトウェアで、商用利用も含めて一切の料金がかかりません。公式サイト(gimp.org)からダウンロードできます。

Q
GIMP 3.0からアップデートする方法は?
A

公式サイトからGIMP 3.2のインストーラーをダウンロードして上書きインストールするだけです。設定やプラグインは基本的に引き継がれますが、念のためプロファイルフォルダのバックアップを取っておくことをおすすめします。

Q
Photoshopのファイル(PSD)はGIMP 3.2で開けますか?
A

開けます。GIMP 3.2ではPSD互換性が大幅に向上し、レイヤーグループのネスト構造やスマートオブジェクト(リンクレイヤーとして読み込み)にも対応しました。ただし、一部のブレンドモードやCMYKデータは完全には再現されない場合があります。

Q
写真のRAW現像はGIMPでできますか?
A

GIMP単体ではRAW現像に対応していません。darktableやRawTherapeeなどの無料RAW現像ソフトと組み合わせて使うのが一般的です。darktableはGIMPとの連携機能があり、現像後の画像をGIMPに直接送ることができます。

Tags

GIMP 無料ソフト 非破壊編集 オープンソース アップデート
佐藤 この記事の筆者

佐藤

Retouch Info

情報系の大学卒業後、IT企業でシステムエンジニアとして3年勤務。趣味で始めた写真編集にのめり込みレタッチャーに転身。現在はRetouch Inkにてワークフロー効率化やAIツール導入を推進。

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