RI
RETOUCH INFO レタッチのすべて|写真編集専門の情報メディア
Lightroom Classic 14.4アップデート|AIで反射や人物を自動除去「Distraction Removal」
ツール・テクニック

Lightroom Classic 14.4アップデート|AIで反射や人物を自動除去「Distraction Removal」

2025-06-20
2025-12-15 更新

Lightroom Classic 14.4で「Distraction Removal」機能が追加。ガラスの反射、背景の通行人など、写真の邪魔な要素をAIが自動検出して除去します。風景写真や建築写真の現像が大幅に効率化されそうです。

Lightroom Classic 14.4がリリースされました。

今回の目玉は「Distraction Removal(気になる箇所の削除)」機能。ガラスの反射や背景に写り込んだ人物など、写真の邪魔な要素をAIが自動で検出・除去してくれます。

地味な名前ですが、実際に使ってみると「これを待っていた」と思える機能でした。

風景写真

アップデート概要

バージョン情報

製品 バージョン
Lightroom Classic 14.4
Lightroom Desktop 8.4
リリース日 2025年6月17日

主な新機能

  • Distraction Removal(気になる箇所の削除)
  • 富士フイルムカメラのテザーサポート
  • AI編集ステータス機能
  • 強化オプションの統合

Distraction Removal(気になる箇所の削除)

何ができるのか

写真内の邪魔な要素を、AIが自動検出して除去する機能です。

対応する要素:

  • ガラス・窓の反射
  • 背景の通行人
  • 電線・ケーブル
  • その他の不要オブジェクト

使い方

  1. 現像モジュールで「削除」ツールを選択
  2. 「Distraction Removal」タブを開く
  3. 除去したい要素の種類を選択
  4. 「適用」をクリック
読者
読者

今までの「スポット修正」と何が違うんですか?

佐藤(専門家)
佐藤(専門家)

スポット修正は手動で範囲を指定する必要がありましたが、Distraction RemovalはAIが自動で検出してくれます。ガラスの反射のように複雑な形状も、ワンクリックで処理できるのが大きな違いです。

反射除去を試してみた

ガラス越しに撮影した建築写真で試してみました。

結果:

  • 自分の反射:きれいに除去
  • カメラの反射:ほぼ除去(わずかに痕跡)
  • 窓枠の反射:スライダーで調整可能

反射の強度をスライダーで調整できるのがポイント。完全に消すのではなく、「少しだけ残す」という調整も可能です。

人物除去を試してみた

観光地で撮影した風景写真で試してみました。

結果:

  • 遠景の通行人:ほぼ完璧に除去
  • 近景の人物:輪郭が残ることがある
  • 複数人:個別に選択して除去可能

AIが人物を自動検出して、背景で自然に補完してくれます。

人物除去の注意点

被写体に近い人物や、大きく写っている人物は、完全に除去できないことがあります。その場合は、Photoshopでの追加処理が必要です。

美しい景色

電線除去

以前から電線除去機能はありましたが、今回のアップデートでDistraction Removalに統合され、精度も向上しています。

複雑に交差する電線も、以前より自然に除去できるようになりました。

富士フイルムカメラのテザーサポート

新規対応

Lightroom ClassicがついにXの富士フイルムカメラのネイティブテザー撮影をサポートしました。

対応機種(一部):

  • X-T5
  • X-H2 / X-H2S
  • GFX100S II
  • など

テザー撮影のメリット

  • 撮影しながらリアルタイムで確認
  • クライアントと画面共有
  • 即座に現像調整を確認
佐藤
佐藤

富士フイルムユーザーにとっては待望の機能ですね。これまでサードパーティのソフトを使っていた方も、Lightroomだけで完結できるようになりました。

AI編集ステータス

新機能の概要

DenoiseやSuper Resolutionなど、AIを使った処理の適用状況を一箇所で確認・管理できる機能です。

表示される情報

  • 適用済みのAI処理一覧
  • 各処理の設定値
  • 更新が必要な処理の通知

活用方法

大量の写真を処理していると、「この写真にDenoise適用したっけ?」と迷うことがあります。AI編集ステータスを見れば、一目で確認できます。

風景

強化オプションの統合

Detailパネルへの統合

これまで別メニューにあったAI処理機能が、Detailパネルに統合されました。

統合された機能:

  • Denoise(ノイズ除去)
  • Raw Details(RAW詳細)
  • Super Resolution(超解像)

使いやすさの向上

現像の流れの中で、自然にAI処理を適用できるようになりました。

以前は「写真」メニューから選択する必要がありましたが、今はDetailパネルから直接アクセスできます。

処理時間について

Denoise、Raw Details、Super Resolutionは処理に時間がかかります。特にSuper Resolutionは数十秒〜数分かかることがあるので、バッチ処理がおすすめです。

その他の改善

パフォーマンス最適化

  • カタログのスクロール速度向上
  • プレビュー生成の効率化
  • メモリ使用量の最適化

バグ修正

  • 特定のRAWファイルでの表示問題
  • マスク編集時の動作不具合
  • 書き出し時のエラー修正

アップデートすべきか

おすすめの人

  • 建築・インテリア写真を撮る人
  • 観光地での撮影が多い人
  • ガラス越しの撮影が多い人
  • 富士フイルムユーザー

様子見でいい人

  • 現在のワークフローで問題ない人
  • 不要物除去をほとんど使わない人
  • 安定性を最優先する人
読者
読者

Photoshopでも不要物除去はできますよね?

佐藤
佐藤

はい、でもLightroomで完結できると効率が全然違います。数十枚の写真を処理する場合、いちいちPhotoshopに渡していたら時間がかかりすぎます。

まとめ

Lightroom Classic 14.4は、Distraction Removalによる不要物除去の自動化が目玉のアップデートです。

良い点:

  • ガラスの反射を自動検出・除去
  • 背景の人物を自動検出・除去
  • 富士フイルムのテザー対応
  • AI処理の一元管理

改善の余地:

  • 大きな対象物の除去精度
  • 複雑な背景での補完品質

風景写真や建築写真を撮る方には、非常に価値のあるアップデートです。Lightroomだけで現像を完結させたい方は、ぜひ試してみてください。

よくある質問(記事のおさらい)

Q
Distraction Removalとは?
A

写真内の邪魔な要素をAIが自動検出して除去する機能です。ガラスの反射、背景の通行人、電線・ケーブルなどをワンクリックで処理できます。

Q
反射除去の精度は?
A

自分やカメラの反射はきれいに除去できます。反射の強度をスライダーで調整可能なので、完全に消すだけでなく「少しだけ残す」調整もできます。

Q
人物除去はどこまでできる?
A

遠景の通行人はほぼ完璧に除去できます。近景の大きな人物は輪郭が残ることがあり、その場合はPhotoshopでの追加処理が必要です。

Q
富士フイルムのテザー対応とは?
A

Lightroom Classicが富士フイルムカメラのネイティブテザー撮影をサポート。X-T5、X-H2/X-H2S、GFX100S IIなどに対応し、撮影しながらリアルタイムで確認できます。

Q
アップデートすべき人は?
A

建築・インテリア写真を撮る人、観光地での撮影が多い人、ガラス越しの撮影が多い人、富士フイルムユーザーに特におすすめです。

写真の仕上がりを劇的に変える

Tags

Lightroom Lightroom Classic アップデート AI 不要物除去
佐藤 この記事の筆者

佐藤

Retouch Info

情報系の大学卒業後、IT企業でシステムエンジニアとして3年勤務。趣味で始めた写真編集にのめり込みレタッチャーに転身。現在はRetouch Inkにてワークフロー効率化やAIツール導入を推進。

この記事をシェアする

記事一覧に戻る