3ヶ月前に「これがベスト」だったアプリが、もう古くなっている。
AIの世界では珍しくない話ですが、2026年のスマホレタッチアプリはその変化が特に激しい。長らく放置されていたSnapseedをGoogleが突然リニューアル。Adobeは「簡易版」だったPhotoshop Expressとは別に、フル機能のPhotoshop Mobileを投入。PicsartにはOpenAIのSora 2が統合され、写真アプリなのに動画生成までできるようになりました。
この記事は「2026年2月時点のスナップショット」です。数ヶ月後にはまた状況が変わっているかもしれません。でもだからこそ、今の時点で何がベストかを整理しておく意味がある。
以前の記事で紹介した10選から大きくアップデートした、2026年版の12アプリを本音で比較します。
2026年のスマホレタッチ、何が変わった?
Snapseedの復活が最大のニュース
2026年最大のサプライズは、GoogleによるSnapseedの大復活です。
2025年6月にiOS版がSnapseed 3.0として完全リニューアル。UIが一新され、2025年10月にはAIによるObject Brush(オブジェクト選択)、ワンタッチマスク、HSLカラー調整が追加。さらに2026年2月にはSnapseedカメラが搭載され、Kodak Portra 400やFuji Superia 200といったフィルムシミュレーションが使えるようになりました。
Snapseedって、何年もアップデートされてなかったですよね?
そうなんです。2018年以降ほぼ放置状態で、「もう終わったアプリ」と思われていました。それがここに来てGoogleが本気でテコ入れを始めた。しかも完全無料・広告なしのまま。正直、2026年の無料レタッチアプリでSnapseedに勝てるものはありません。
Snapseed 3.0のリニューアルは現時点でiOS版のみ。Android版の再設計は2025年11月に開発開始が確認されており、数ヶ月以内にリリースされる見込みです。
写真アプリが「動画アプリ」を兼ね始めた
Picsart、PhotoDirector、Pixlrなど、写真編集アプリにAI動画生成が統合され始めています。静止画1枚からAIが動きをつけてショート動画にする機能がトレンドです。
買い切りからサブスクの波
PC向けツールだけでなく、スマホアプリでもサブスク化が進行中。TouchRetouchは以前200円程度の買い切りでしたが、現在はサブスクリプション制に移行しています。
全12アプリの早見表
| アプリ | 用途 | 料金 | iOS | Android |
|---|---|---|---|---|
| Snapseed | 万能 | 完全無料 | ○ | ○(旧UI) |
| Lightroom | 色補正 | 無料〜月$9.99 | ○ | ○ |
| Photoshop Mobile | 本格編集 | 月$7.99 | ○ | β版 |
| Picsart | 総合+動画 | 無料〜月$15 | ○ | ○ |
| PhotoDirector | 万能 | 無料〜サブスク | ○ | ○ |
| Facetune | 顔補正 | サブスク | ○ | ○ |
| VSCO | フィルター | 無料〜月$5 | ○ | ○ |
| Remini | 高画質化 | 無料〜サブスク | ○ | ○ |
| Photomator | RAW編集 | 月$7.99〜 | ○ | × |
| TouchRetouch | 不要物除去 | サブスク | ○ | ○ |
| Canva | デザイン | 無料〜月$12.99 | ○ | ○ |
| Pixlr | 簡易編集 | 無料(3回/日) | ○ | ○ |
無料で最強 — Snapseed
2026年のSnapseedは別物
前述の通り、Snapseed 3.0は完全に生まれ変わりました。
主な機能(2026年2月時点):
- Object Brush: AIがオブジェクトを自動認識し、タップするだけでマスク作成
- One-Touch Mask: 被写体をワンタップで選択して部分補正
- Color(HSL): 色相・彩度・輝度を色別に調整
- Snapseedカメラ: マニュアル撮影(ISO、シャッタースピード、フォーカス)+フィルムシミュレーション
- 20以上のプロツール: 明るさ、コントラスト、カーブ、部分補正、ヒーリングなど
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 完全無料(広告なし) |
| 対応OS | iOS(v3.15)/ Android(旧バージョン) |
| 日本語対応 | ○ |
Snapseed一択と言ってもいいくらいです。無料でここまでできるアプリは他にありません。フィルムシミュレーション機能は、VSCOの有料プランと同等かそれ以上の品質です。
本格派 — Lightroom / Photoshop Mobile / Photomator
Lightroom Mobile — プロの色補正をスマホで
スマホでRAW現像や本格的な色補正をやるなら、依然としてLightroomが最強です。2025年10月に追加されたScene Enhanceは、風景写真の空・山・水・地面をAIが自動認識してマスクを作成。パーツごとに個別の補正ができます。
最近の主なアップデート:
- Scene Enhance: 風景の要素ごとにAIマスク自動生成
- 背景選択: 背景だけをAIで選択して編集
- 自動ダスト除去: センサーのゴミを自動検出・除去(ベータ終了)
- Quick Actions: グループ写真をズームして一人ずつレタッチ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料(基本機能)/ フォトプラン月$9.99(全機能) |
| 対応OS | iOS / Android |
| 日本語対応 | ○ |
Photoshop Mobile — フル版がスマホに来た
2025年2月にiOS版、6月にAndroidベータ版がリリースされたフル版Photoshop Mobile。Photoshop Expressとは完全に別のアプリで、Firefly搭載の生成AI機能やレイヤー操作が使えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 月$7.99(Photoshop Mobile & Webプラン) |
| 対応OS | iOS / Android(ベータ) |
| 日本語対応 | ○ |
Photoshop Expressは引き続き利用可能ですが、Adobeは新しいPhotoshop Mobileへの移行を推進しています。また、Photoshop Elements Mobileは2025年10月に配信終了、2026年1月にWeb版もアクセス不可になっています。
Photomator — AppleがPixelmatorを買収
2025年2月にAppleがPixelmator(Photomatorの開発元)を買収。iOS/Mac専用の高品質フォトエディタとして、Apple純正に近いポジションを獲得しました。
特徴:
- 750以上のRAWフォーマットに対応
- AIノイズ除去、修復ツール、バッチ編集
- Apple Photosとの深い連携
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 月$7.99 / 年$34.99 / 買い切り$119 |
| 対応OS | iOS / Mac / iPad / Vision Pro(Androidなし) |
| 日本語対応 | ○ |
iPhone使ってるんですが、LightroomとPhotomator、どっちがいいですか?
RAW現像と色補正に集中するならLightroom。Apple Photosとの連携を重視するならPhotomator。Lightroomはクラウド同期が便利ですが月額制。Photomatorは買い切りもあるので、サブスクが嫌な人にはこちらがおすすめです。
AI特化 — Picsart / Remini / PhotoDirector
Picsart — 写真アプリの枠を超えた
2026年のPicsartは、もはや「写真編集アプリ」とは呼べません。OpenAIのSora 2による動画生成、GPT Imageによるテキストからの画像生成が統合され、クリエイティブプラットフォームに進化しています。
注目機能:
- Sora 2統合: テキストや画像から動画を生成
- GPT Image: テキストプロンプトからAI画像生成
- Batch AI Background: 最大50枚の商品写真の背景を一括変更
- Magic Workflows: AI自動化ワークフロー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料(AI 5クレジット/月)/ Plus月$13 / Pro月$15 |
| 対応OS | iOS / Android / Web |
| 日本語対応 | ○ |
Picsartの無料版はAI機能が月5クレジット(モバイルは週5クレジット)に制限されています。AI機能を本格的に使うにはPro(月$15、500クレジット)が必要です。
Remini — 写真の高画質化に特化
古い写真や低解像度の画像をAIで高画質化するRemini。2026年のアップデートで4K解像度に対応し、人物以外の被写体(風景、建物、動物)の補正精度も大幅に向上しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料(制限あり)/ Premium(サブスク) |
| 対応OS | iOS / Android |
| 日本語対応 | ○ |
PhotoDirector — 日本で人気No.1の万能アプリ
CyberLinkのPhotoDirectorは、日本の「レタッチアプリおすすめ」記事で常にランキング上位に入る人気アプリ。2026年版(v20)ではAI Try On(テキストプロンプトなしで着せ替え)やワイヤー検出&除去が追加されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料(基本機能)/ Premium(サブスク) |
| 対応OS | iOS / Android |
| 日本語対応 | ○ |
顔補正・自撮り — Facetune / VSCO
Facetune — 顔補正の定番
顔の目・鼻・輪郭を細かく調整できる定番アプリ。2025年は大きな機能追加はなく、開発元のLightricksはAI動画生成(LTX-2)やFlux.1統合にリソースを集中している印象です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | サブスク(Facetune VIP) |
| 対応OS | iOS / Android |
| 日本語対応 | ○ |
VSCO — フィルター派の選択肢
200以上のプリセットとHSL調整で、写真のトーンを作り込めるVSCO。派手なAI機能はなく、「フィルターの質」で勝負する正統派のポジションを維持しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料 / Plus月$2.50 / Pro月$5 |
| 対応OS | iOS / Android |
| 日本語対応 | ○ |
VSCOとSnapseedのフィルムシミュレーション、どっちがいいですか?
正直、Snapseedの新しいフィルムシミュレーションはかなりの出来です。Portra 400やSuperia 200の再現度は高い。VSCOの強みは200種類以上のプリセットの「バリエーションの豊富さ」。1つ2つのフィルムを深く使いたいならSnapseed、いろんなトーンを試したいならVSCOという棲み分けです。
不要物除去・簡易編集 — TouchRetouch / Canva / Pixlr
TouchRetouch — 不要物除去の専門アプリ
写真から電線、人物、ゴミなど不要なものをタップで消せるTouchRetouch。AI対応のErase機能で精度が向上していますが、以前の買い切り(約200円)からサブスクリプション制に移行しており、ユーザーからの不満の声も。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | サブスク(以前は約200円の買い切り) |
| 対応OS | iOS / Android / Mac |
| 日本語対応 | ○ |
Canva — デザインツールとしてのレタッチ
Magic Edit(Leonardo AI搭載)、Magic Eraser、背景除去など、ライトなレタッチ機能を備えたデザインアプリ。レタッチ専用ではありませんが、SNS投稿やバナー作成と組み合わせるなら最も効率的です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料 / Pro月$12.99 |
| 対応OS | iOS / Android / Web |
| 日本語対応 | ○ |
Pixlr — 無料だが制限強化
AIによるGenerative Fill、オブジェクト除去などを備えたPixlr。ただし2026年現在、無料版は1日3回の保存制限がかけられており、以前ほど気軽に使えなくなっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料(1日3回保存)/ サブスク |
| 対応OS | iOS / Android / Web |
| 日本語対応 | ○ |
用途別おすすめ早見表
とりあえず始めたい・無料で使いたい
→ Snapseed(完全無料・広告なし、2026年の最強無料アプリ)
本格的な色補正・RAW現像
→ Lightroom(プロ標準)、Photomator(Apple派、買い切りあり)
顔を自然に補正したい
→ Facetune(細かい調整)、PhotoDirector(AI Try On付き)
写真から動画も作りたい
→ Picsart(Sora 2統合)、PhotoDirector(AI Image to Video)
古い写真を高画質にしたい
→ Remini(4K対応、人物以外もOK)
フィルター・トーンにこだわりたい
→ VSCO(200+プリセット)、Snapseed(フィルムシミュレーション)
SNS投稿やデザインも兼ねたい
→ Canva(デザイン+レタッチ)
スマホアプリの限界を知っておく
スマホアプリだけでプロレベルの仕上がりは出せますか?
日常的なSNS投稿や、明確な補正(明るさ調整、不要物除去、フィルター適用)なら十分です。ただし、商品撮影の色味を正確に合わせたり、肌の質感を残しながら自然にレタッチしたりする作業は、スマホだけでは限界があります。
PCの自動レタッチツールを使えば、スマホアプリよりワンランク上の仕上がりが得られます。それでも満足できない場合は、Retouch Inkのような専門のレタッチ会社にプロの目で仕上げてもらうのも選択肢です。
「スマホで撮った写真でもプロに頼めるの?」と聞かれることがありますが、もちろん可能です。データの解像度が十分であれば、スマホ写真でもプロのレタッチで劇的に仕上がりが変わります。
まとめ
2026年のスマホレタッチアプリは、半年前とは完全に別の風景です。
- 無料の最強アプリはSnapseed。Google の本気リニューアルで死角がない
- 本格派はLightroom / Photoshop Mobile / Photomator の三つ巴
- AI特化ならPicsart。Sora 2統合で写真アプリの枠を超えた
- 買い切り→サブスクの波がスマホにも。TouchRetouch、Pixlrが移行済み
- 「自然な仕上がり」が2026年のキーワード。過度な加工は時代遅れに
3ヶ月後にはまた状況が変わっているかもしれません。でも今この瞬間のベストは、この記事で整理した通りです。
よくある質問(記事のおさらい)
Snapseedです。2025〜2026年にGoogleが大幅リニューアルし、AIオブジェクト選択、HSLカラー調整、フィルムシミュレーション搭載のカメラ機能まで追加されました。完全無料・広告なしです。
2025年に登場したフル版Photoshopのモバイルアプリです。Photoshop Expressとは別のアプリで、Firefly搭載の生成AI機能やレイヤー操作が可能。月額$7.99です。
Lightroomがプロ標準です。Scene EnhanceによるAIマスク、自動ダスト除去など高度な機能がスマホで使えます。Apple派ならPhotomatorも買い切りで使える選択肢です。
Facetuneが定番です。目・鼻・輪郭を細かく調整でき、自然な仕上がりが得られます。AI機能重視ならPhotoDirectorのAI Try On機能も注目です。
PicsartはOpenAIのSora 2を統合し、テキストや画像から動画を生成できます。PhotoDirectorもAI Image to Video機能を搭載しています。
はい。以前は約200円の買い切りでしたが、現在はサブスクリプション制に移行しています。不要物除去だけなら、SnapseedのヒーリングツールやGoogleフォトのMagic Eraserで代替可能です。
SNS投稿や日常的な補正なら十分です。ただし商品撮影の色味合わせや、肌の質感を残した自然なレタッチはスマホだけでは限界があります。その場合はPC向けの自動レタッチツールやプロへの依頼がおすすめです。